頂上には大仏。派手〜。

大仏発射台?すぐに飛びだしそう。

足の幅より狭くて一段の高さがやたら高い階段。

眺め良し。

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ソンの夢

ソンはセンターポイントにあるゲイバー「レインボーバー」に住み込みで働いている。センターポイントはアオナンビーチの歓楽街となっていて、奥まったところに20件くらい?のお店がゴチャゴチャと並んでいる。地図に載ってたレインボーの広告を見たら立派な店で素敵なゲイのお兄さんがいっぱいなのかと思ったら、店のインテリアは屋根が黒いシート、壁もシート、ドアなし。どこからでも入れるオープンなお店。L字形のカウンターとテーブル席がひとつ。クリスマスのような電飾が光り、うーん・・コ・チャーンのソンのお兄さんのバーと変わんないなー。ソンとつんくちゃんが寝泊まりしているのはカウンターの奥の一部屋。倉庫っていうか、従業員室っていうかで雑魚寝。で、お店のトイレに置かれたドラム缶に水が溜まってて、そこから桶でトイレの水洗兼、からだ洗ったときの水洗。・・・シンプルです。
10時過ぎレインボーを覗く。客なし。つんくちゃんとソンが店先でふざけて踊っていた。ソンにはドイツ人の彼がいて、彼とは2年以上遠距離恋愛が続いている。「ソンさ、パリに行ってたんでしょ?」「イエース、4月に行って、パリのタイ料理屋で働いていたの。」「航空券は彼が送ってくれたの?」「うん、そう」アルバムを持ってきて写真を見せてくれた。「これがパリ、これはスペイン・・」ソンの彼グレゴ(ソンの発音ではグウェ〜ゴなんだけど、たぶんグレゴ?)はパリに住むエディターで毎年ソンに逢いに来ては2人でタイを旅行してる。先月もクラビに来たばかりだそうだ。ソンのお母さんにも会ったことがあるし、フランスでは彼のご両親にも会ったという親公認のカップルである。「ビザが切れたから帰ってきたんだけど、彼に頼らずお金を貯めて自分の力でパリに行って、彼と結婚したいの。だから大学のホリデーでクラビに来て働いてお金貯めているの。」そうなんだー。「これは私のバースデーパーティー、お友だち集めて開いてくれたの。彼は韓国人、彼はフランス人、彼は日本人よ」みなさんゲイカップル。お部屋は風船でかわいく飾られていて、バースデイケーキを吹き消しキスしている写真。「ソンすごい幸せそうだねー」いいなーーー。それもパリである。うらやましいである。
コ・チャーンに行ったとき知り合ったタイの子達はレディーボーイも女の子もみんな西洋人の彼がいた。このところ急発展を遂げ好景気なタイでもお金持ちになりたいと思うと、外国人とつきあったり結婚して外国暮らしをするのが一番の近道なのかもしれない。そしてみんな口だけでなく本当に行っているのがすごい。幸せそうなソンの写真を見ていると、早く彼と結婚してパリで幸せに暮らせたらいいね。って思う。

 

 



  修行の一日

明日は山にあるお寺に行きましょう!という約束だったので翌日の午後レインボーに行く。「シャワー浴びてくるわ」とソンが水を浴びて出てくると、なぜかバスタオルを胸の所で巻いて出てきて「なんで胸隠してんのよー。隠す必要ないじゃん」なんて言ってもポーズきめたりしているバカである。タイ人は暑いお国柄、一日に何度も水浴びしては着替える清潔好きでおしゃれな人達だ。人は外見で判断するそうだ。気をつけなくては。
ソンはピンクのTシャツに縞の帽子をかぶり「日焼け止め貸して」と顔にクリーム塗りたくって出発。「私、ギヤ付きのバイク運転できないよ」「大丈夫よ。3人で行きましょう」バイク3人乗りでアオナンから20キロのところにあるワット・サムスーアへ。途中クラビタウンのあたりで急にヘルメットをかぶり出すソン。お巡りさんがいる。あっそ、3人乗りはいいわけね、でもメットはかぶんなきゃダメなんだ一応。あんまりかぶってる人見ないけど。そんなわけでタイでは交通事故の死者はすごい多いのだ。免許ってあるのかな?前に子供が運転しているのを見て、いくつから運転できるの?って聞いたら運転できればいくつでもいいでしょって言われたことがある。
ワット・サムスーア、そこは山の頂上にあるお寺。その山はとってもとっても急な、日本だったらこれはないよ!っていう、幅より高さのほうがある設計ミスのような階段を上って行く。「ひーーーー、まだなの??」「まだまだ」「は〜〜〜〜、ちょっと休憩」「ソーン、大丈夫ー??」一番へろへろになってるソン。「おおーー、すごい眺めだねー」そうして上ること上ること1237段。それはなんとサンシャイン60の階段よりも数が多いと後に知った。(すごすぎ)「やっと着いたよーーーー!!!喉かわいたよー」頂上には社殿などない。タイル貼りの平らな場所に奉られた金色の卒塔婆(ストゥーパ)が光る。あたりには誰もいない。お土産屋とか並んでて、人がいっぱいいるんだとばかり思ってた。あるのは給水機のみ。生水かな?タンクがあるから平気だろうと(よくわかんない理由)いただくと冷たくて喉にしみいる。こんなてっぺんに冷水機を置いてるって気が利いている。ここまでご苦労様ってねぎらってもらったみたい。右手には建立途中で足場が組まれた 派手な色した 巨大な大仏。そのスペースがあるのみで、そこから下は断崖のパノラマ。左手には海、後ろは平らな大地、正面には山水画のような岩山が見える。あたりは静かで大仏工事の人がひとりトントンと工事しながら流すラジオのかすかな音、チリンチリンと心地よく響く風鈴の音がBGMになり睡魔がす〜っと3人を襲い、卒塔婆の日陰で昼寝。・・2時間寝てしまった。
「さて帰りましょう」行きとうって変わって元気に駆け下りるソン。「待ってよー、私下りの方が苦手なんだよー。膝にくるよー」結局、昼寝しに山上った?
翌日、近年まれにみる筋肉痛に襲われ、ふくらはぎがカチンカチンで歩くのも辛かった。その寺の名はワット・サムスーア・・・ワットが寺でサムスーアは「虎の穴」!虎の穴で修行してきたわけだ。タイガーマスク、ここに来てたか・・